南砺の土で専用の器をつくった金さん(右)とそばの提供を始めた嫁兼さん(左)

南砺の土で専用の器をつくった金さん(右)とそばの提供を始めた嫁兼さん(左)

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そばも器も南砺産 福光の「萱笑」

北日本新聞(2019年12月5日)

 南砺市福光のそば店「萱笑(かやしょう)」が、地元の土で焼いた器にそばを盛り、客に出すもてなしを始めた。同市細野(城端)の工房で作陶に励む韓国出身の金京徳(キムキョントク)さん(49)が、料理に合わせて器を作った。長年、地元産のそばにこだわってきた店主の嫁兼弘明さん(51)は「夢がかなった。南砺の魅力を発信できればうれしい」と話している。

 嫁兼さんはことし5月、北日本新聞のフリーペーパー「まんまる」を読んで金さんを知り、工房を訪ねた。工房に並ぶ素朴な作品や金さんの情熱的な人柄に引かれ、制作を依頼した。

 金さんは南砺で産出された土だけを使った作陶を、約20年間試み、昨年末に成功した。嫁兼さんの希望に添うよう、形や色を工夫した器を試しに提供。美しさだけでなく、重さや使いやすさ、収納のしやすさなどを確かめてもらった。感想を踏まえて改良を重ね、そばの皿やだしの器、てんぷらの角皿を完成させた。

 主役のそばが引き立つよう、ヨモギや青磁をイメージした淡い色合い。重厚感を感じさせながらも薄く、使いやすくした。天ぷらの角皿は金さんが好きな小説「老人と海」をヒントに、生命力を感じさせる波のような線を出した。金さんは「食は生活の基本。一口食べるごとに笑顔になってもらえたらいい」と言う。

 客の反応は上々という。嫁兼さんは「器もそばも、地元にこんな素晴らしい物があることを知ってもらいたい」と話している。

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