金澤麻紙で制作した金沢和傘。金澤麻のマークがあしらわれた=金沢市千日町

金澤麻紙で制作した金沢和傘。金澤麻のマークがあしらわれた=金沢市千日町

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金澤麻紙で和傘制作 振興協と金沢の松田さん

北國新聞(2019年12月12日)

かつて石川で盛んだった麻生産の再興を目指す金澤麻(かなざわあさ)振興協会は、金沢市内で唯一、金沢和傘を手掛ける松田和傘店と連携し、特製「金澤麻紙」で和傘を制作した。麻を取り入れた紙は手触りが良く丈夫な仕上がりになった。協会は昨冬にうちわを試作しており、来年から本格的に商品開発や販路拡大に取り組み、ブランド化を進める。
 松田和傘店の3代目松田重樹さん(60)が仕上げた第1号は、直径約70センチ、長さ86センチの番傘で、「金澤麻」のマークをあしらった。金沢の希少伝統工芸「二俣和紙」の職人の協力を得て、麻の皮とコウゾを混ぜ合わせた紙は、布のように柔らかく耐久性がある。
 協会によると、石川県内では平安時代から苧麻(ちょま)が広く栽培され、江戸期には能登上布が全国に出荷された。明治に入ると全国一の麻織物の産地となったが、戦後に栽培は途絶えた。麻を新たな農作物に育てようと、協会は河北潟干拓地や白山麓の休耕地を活用して苧麻の苗を育て始め、昨年12月には商品化を見据えて麻の和紙でうちわを作った。
 うちわ試作を知った松田さんが今春、協会に金沢和傘への活用を提案したのを機に、コラボ商品を企画した。松田さんは仕上がった和傘を感慨深げに見詰め「独特の手触りとぬくもりがあり、厚く強いため半世紀ほど持つだろう」と評価。来年、海外で開催される展示会への出展も検討している。
 金沢工大産学連携室が協力しており、今後は植物で染めて絵を施した和傘のほか、扇子などの開発も検討する。協会の松村邦寛代表理事(76)は「金沢和傘を契機に、金沢のまちに似合う、質の高く使いやすい品を作りたい」と意欲を語った。

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