照明を暗めの青色に変更した富山湾大水槽

照明を暗めの青色に変更した富山湾大水槽

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ブリの水槽衝突防げ 魚津水族館が対策

北日本新聞(2019年12月18日)

 魚津水族館(魚津市三ケ)は、展示するブリが水槽に衝突してできる赤いいぼのような傷を防ごうと、新たな対策に乗り出した。水槽の角に気泡が出る装置を設置し、照明を暗めの青色に変更したところ、衝突回数が以前の半分以下になった。2日に新たにブリ40匹が仲間入りしており、担当者は注視している。

 魚津水族館によると、赤い傷があっても健康状態に問題はないという。ただ来館者に「病気では?」と聞かれることも多く、飼育研究係の西馬和沙さんは「より自然な姿を見てもらいたい」と対策を講じてきた。

 富山湾大水槽はアクリル製で、水量は240トン。八角形で中央部に水中トンネルがある複雑な構造で、ブリが衝突しやすいとみられる。飼育員の目視確認では、5分間で70~80回ほど衝突していた。

 初の対策として昨年11月30日、水槽の一角に漁網を張ったが、半年後、ほぼ半数に赤い傷が目立ち始めた。その後、一定だった水流をランダムに変えたり、外側からの照明を強めて水槽の存在を強調したりしたが、効果はなかった。今年7月20日には水槽の角に気泡が出る装置を設置。5分間の衝突回数は40~60回に減ったが、まだまだ多かった。

 ヒントは意外なところにあった。平井優心君(富山市新庄小6年)の提案を受け、8月23日に初めて開いた夜の館内ツアーだ。ブリが夜間、昼よりもゆっくりと泳いでいたことから、照明を暗くすることにした。

 同30日から白色灯6個を青色灯2個に、10月5日からは青色灯1個に減らした。5分間の衝突回数は15~30回まで減った。西馬さんは「元々ブリは栄養分が多い濁った薄暗いところにいる。とはいえ、ライトがここまで効くとは」と驚く。

 昨年から生き残っているブリには赤い傷があるが、新しいブリに傷はまだ見られない。西馬さんは「対策の結果はこれから」と注意深く見守っている。

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