都内の企業が手掛けるイノシシの食肉用処理施設の予定地=珠洲市折戸町

都内の企業が手掛けるイノシシの食肉用処理施設の予定地=珠洲市折戸町

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イノシシ活用へ珠洲に食肉処理施設 都内企業、創業者が移住し2月開設

北國新聞(2019年12月20日)

 石川県内で増えるイノシシを有効活用しようと、長野県で駆除に取り組む都内の人材派遣会社が来年2月、珠洲市折戸町で食肉用の処理施設を開設する。狩猟免許を持つ派遣会社の創業者ら3人が珠洲に移住し、林業の際に長野で培った捕獲のノウハウを生かす。埋設処分が中心となっている奥能登地域からイノシシを受け入れ、県内や首都圏の飲食店に供給して珠洲産ジビエ普及を図る。
 食肉処理施設は「奥能登ジビエしおかぜファーム」で、人材派遣会社「ジョリーロジャー」が開設する。長野県在住で創業者の中林昌人さん(42)が責任者を務め、長野、愛知県出身の20~30代のスタッフ2人とともに珠洲に移った。
 石川県里山振興室によると、私設のイノシシ肉加工処理施設は現在、金沢、白山、羽咋、七尾市、穴水町に計6施設あるが、県外企業が運営を手掛けるのは初めてという。
 処理施設は外浦の「奥能登絶景海道」沿いにある耕作放棄地約400平方メートルに開設する。幅と高さが各3メートル、奥行き5メートルのコンテナ型の解体施設3棟、肉の冷蔵冷凍施設1棟のほか、事務所を設ける。
 県猟友会珠洲支部やスタッフが捕獲したイノシシを運んで解体作業を行い、ロースやバラなどの部位別に分けてパッキング、保管した上で、出荷する。年間処理頭数は500~600頭を目指す。
 骨や皮など食用にならない部位は堆肥化して活用するほか、珠洲市が2021年2月の開設を目指す微生物によるイノシシ分解処理施設とも連携していく。 中林さんは会社の事業として5年前から長野県内で林業を営んできた。ただ、シカなどが伐採用の樹木の皮をはいで食べる被害が急増し、駆除に取り組んできた。長野や首都圏ではイノシシは高級食材として需要が高まっている一方、奥能登では消費しきれないほど捕獲され、廃棄処分されていることを知り、長野での駆除ノウハウを生かし、ジビエ料理への活用拡大を図ることにした。珠洲市内では昨年度、1622頭が捕獲された。
 同ファームは今後、県内の飲食店や首都圏の高級レストランに出荷するとともに、捕獲隊の担い手確保も後押しする。中林さんは「イノシシの活用は地域全体の課題であり、ジビエ料理の普及拡大を通じて能登の活性化に少しでも役に立ちたい」と話している。

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