山岳信仰の拠点「大宮坊」=中能登町の石動山

山岳信仰の拠点「大宮坊」=中能登町の石動山

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石動山 いしかわ歴史遺産に

北國新聞(2019年12月21日)

 中能登町は石川と富山の県境にそびえる石動山を「能登の山岳信仰の霊場」として、日本遺産の県版に当たる「いしかわ歴史遺産」に認定するよう県教委に申請した。月内に正式決定する予定で、町の関係者はかつて多くの修験者が己の身を磨き、一大勢力を誇った霊山の発信へ、令和初の認定に期待を寄せている。
 いしかわ歴史遺産は、複数の文化財をまとめて認定することで、各市町の歴史や伝承、風習などの魅力を広く発信してもらおうと、県教委が2015年度に創設した。認定には有形、無形の文化財に歴史や文化を組み合わせた「ストーリー」が重視される。
 中能登町は「能登の山岳信仰の霊場~石動山と山麓の歴史遺産~」のタイトルで申請した。
 石動山は白山や立山と並ぶ霊山として全国に名をはせ、最盛期の中世には360余坊に約3千人の衆徒がおり、修験道を通った先にある不動滝での水行や、講堂での祈祷(きとう)などに励んだとされる。明治の神仏分離令により仏教色は一掃されたが、堂塔伽藍(がらん)の痕跡は現在も残っており、山麓の平野部では石動山ゆかりの遺産が受け継がれている。
 今回の申請では、国史跡「石動山」をはじめ、山内にある伊須流岐比古(いするぎひこ)神社本殿・拝殿、藩政後期の寺坊「旧観坊(きゅうかんぼう)」、町名勝の不動滝、最盛期の石動山の様子を描いた「紙本著色(しほんちゃくしょく)石動山境内古絵図」など県、町指定の文化財を中心とした26件で構成した。かつて石動山にあった長楽寺(ちょうらくじ)山門と本(ほん)土寺(どじ)仁王像、2002年に復元された山岳信仰の拠点「大宮坊(おおみやぼう)」も含まれる。
 いしかわ歴史遺産にはこれまでに13件が認定された。今回認定されれば、中能登町が関係する認定は3件目となる。町の担当者は「2年前に認定された国史跡『雨の宮古墳群』に続き、町の東西の主要な文化遺産がそろって認定されることになり、町の活性化につながるようしっかりPRしていきたい」と話した。

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