日本郵政は20日、諏訪市大和で運営する「かんぽの宿諏訪」の営業を終了した。諏訪湖を望む高台にあるが、立地条件などから来客数が伸び悩んでいた。土地と建物は来年以降に売却する方針。周辺住民からは順調に売却先が決まり、早期の営業再開を望む声が上がった。
大和地区の小林正夫総代(69)は年数回、地域の行事などで施設を利用してきたといい「営業終了は残念。再び施設に明かりがともる日を待ち望んでいる」。施設近くを散歩していた男性(71)は「大浴場からの眺めが良かった。もう一度利用したい」と残念がった。
施設は鉄筋コンクリート建ての地上5階と地下1階で、1968(昭和43)年に開業。36の客室があるが、施設によると、ここ数年の1日の宿泊客数は10〜20人にとどまっていた。だが、日本郵政が5月に営業終了を発表すると常連客らが大勢訪れ、1日約70人が泊まる日もあったという。最後の宿泊日となる19〜20日は営業終了を惜しむ県外の約60人が利用した。
宮本節雄支配人(59)は「営業終了は残念だが、ぜひ買い取る企業が現れて、この建物や景観を残してほしい」と話した。日本郵政は20日、採算が悪化していた諏訪を含む全国13カ所のかんぽの宿を閉鎖した。