千曲市は２４日、来年１月中旬から３月末までの間、１泊１万円以上の宿泊プランで訪れる観光客を対象に、１泊千円を割り引く補助事業を独自に始めると発表した。台風１９号災害の影響で市内の旅館やホテルに多数のキャンセルが出たことを受けた対応で、岡田昭雄市長は「観光客が市内を訪れるきっかけとなるようにしたい」と話している。

　市が戸倉上山田温泉などにある計３０の旅館やホテルに聞き取り調査をしたところ、台風災害後の１０月から来年３月までに計約１万４千人のキャンセルがあり、宿泊費１億５千万円余の損失を確認したという。

　宿泊への補助は、各旅館やホテルが「復興割引」などと銘打って販売している宿泊プランが対象になる。旅館やホテルは宿泊者の料金を割り引き、市に宿泊者数を報告。市は人数に応じて割引額分を旅館やホテルに補助する。４千人分を想定している。

　市内の名勝や旅館などを紹介する動画を新たに作り、動画サイト「ユーチューブ」などで情報を発信する。動画作成委託料も含め、総事業費は５００万円。１２月定例会で可決された本年度一般会計補正予算に計上している。