岡谷図書館内で見つかった帽子と由来を記した紙

岡谷図書館内で見つかった帽子と由来を記した紙

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象山からもらった帽子?発見 岡谷図書館、情報募る

信濃毎日新聞(2019年12月26日)

 岡谷市立岡谷図書館の収蔵品の中から、幕末の兵学者・思想家の佐久間象山(1811〜64年)から譲り受けたと伝わる帽子が見つかった。帽子は修復された部分が多く本物かは不明。由来を記した紙も一緒に見つかったが、書いた人物も寄贈された時期も分からない。岡谷図書館は「謎を解く手がかりを得たい」と年明けに帽子と紙を館内に展示し、広く情報を募る。

 9月、職員が館内を整理した際に帽子と由来が書かれた紙を見つけた。記した人は不明だが、書いた日付は「昭和十年秋」。紙には、祖父に当たる「平兵衛政信」が象山から帽子を拝受したこと、自分の父の名は「倉之介」であることが書かれていた。

 帽子は茶色。外側の生地は比較的新しく、修復されたことがうかがえる。象山の出身地、長野市松代町にある象山記念館の降幡浩樹学芸員(岡谷市出身)が確認。修復後の形は幕末に幕府の歩兵などが被った「韮山頭巾」に似ているという。

 降幡学芸員によると、象山が江戸で開いた塾は、諏訪地方を治めた高島藩の江戸屋敷の近くにあった。ただ、現物からは「本物かどうか否定も肯定もできない」としている。

 岡谷図書館は職員OBらにも確認したが、収蔵の経緯は分からなかった。浜活秀館長は「象山について市民が学ぶ機会にもしたい」とし、帽子の展示に合わせ幕末に関する本の特設コーナーを設ける。

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