金沢市天神町1丁目の田井菅原神社で27日、加賀藩12代藩主前田斉広(なりなが)に献上されたと伝わる鏡餅が再現され、拝殿に新春の趣が漂った。
鏡餅は、丸とひし形の餅計50個を高さ1・2メートルに積み上げた「床(とこ)飾り餅」、台形の餅を重ねた「櫓(やぐら)餅」、松の木を立てた「蓬莱(ほうらい)飾り」の3種類ある。
田邊良和宮司(52)や総代、金沢観光ボランティアガイドの会「まいどさん」のメンバーら13人が古文書に倣い、現代とは逆の「上に白、下に紅」の順に、ろうで再現した餅を重ね、ダイダイやウラジロ、昆布などで飾り付けた。
鏡餅は1802(享和2)年、藩主となった斉広が藩内で初めて迎える正月を祝うため献上されたと伝わる。同神社では1997年から、神社所蔵の古文書や絵図をもとに再現している。来年1月29日まで飾られる。