国が登録有形文化財にする東山円筒分水槽。魚津市は隣接地(右奥)での小規模公園整備を計画している

国が登録有形文化財にする東山円筒分水槽。魚津市は隣接地(右奥)での小規模公園整備を計画している

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公園整備し魅力アップ 魚津の東山円筒分水槽

北日本新聞(2020年1月5日)

■文化財登録へ駐車場や展望所

 魚津市は、新年度に国が東山円筒分水槽(同市東山)を登録有形文化財にするのに合わせ、隣接地での小規模公園整備を検討している。駐車場や展望所などを設ける案があり、本年度中に詳細を詰める。地元・天神地区と協力して地域資源を活用したイベントも開き、ハードとソフトの両面で周辺の魅力を発信する方針。担当課は「にぎわい創出だけでなく、住民と共に地域づくりを進める機運を高めたい」としている。 

 東山円筒分水槽は農業用水を公平に分配する施設で1954年、片貝川右岸に完成。水を左岸で取り込み、川の下に通したトンネルを使って噴出させている。

 「日本一美しい円筒分水槽」と近年注目され、周辺には住民が管理する「しゃくなげロード」や、江戸時代初期に通った高円堂用水、東山神社といった地域資源もある。一方、駐車場など訪問者を迎える設備がないため、のんびりと散策を楽しむことができなかった。

 市は公園を整備するため、円筒分水槽の南側に隣接する私有地約760平方メートルを公共用敷地として既に借り上げている。駐車場の他、正確な円を描く美しい姿を見下ろせるように土を盛った展望所の整備を検討。そばを通る県道黒谷上村木線が県の田園サイクリングコースになっていることから、サイクリストの休憩所機能を持たせる案もある。

 地元に対し、天神地域振興会が円筒分水槽で年に1度行っている排砂作業のイベント化や、同振興会が設定したウオーキングコースを活用する催しの開催などを働き掛けている。

 同振興会の関口斎(ひとし)会長(66)は「地域の宝、円筒分水槽を多くの人に見てもらえるようにしたい。各種事業を支える地元ボランティアの会をつくる準備を進めていく」と話している。

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