五穀豊穣(ほうじょう)や家内安全を願って松本平で行われる道祖神の祭り「御柱」を紹介する企画展が、松本市内田の重要文化財「馬場家住宅」で開かれている。松本、安曇野、塩尻各市の一部地域で続く正月行事で、高さ10メートル以上の柱に、紙飾りや巾着で飾った竹組みの「おんべ」を取り付けて道祖神の脇などに建てる。
御柱の模型や実物のおんべを展示。各地区の御柱の写真や建てる場所を地図で紹介している。「おんべ」は毎年作り直し、御柱を倒した後は、各家庭の戸口に1年間飾って魔よけにするという。
地域ごとに毎年の正月や小正月に行い、竹の組み方や飾りは異なる。馬場家住宅の沢柳秀利主査(54)は「一つとして同じ形はないのが魅力」と説明。江戸時代に始まったとみられ、近年は実施地域が減っているという。
企画展は26日まで。月曜休館(月曜が祝日の場合は翌日休館)。大人310円、中学生以下無料。