葛飾北斎の作品を対比させて鑑賞できる企画展

葛飾北斎の作品を対比させて鑑賞できる企画展

長野県 長野市周辺

北斎の富士山比べて鑑賞 小布施「富嶽三十六景」と「富嶽百景」

信濃毎日新聞(2020年1月6日)

 上高井郡小布施町の北斎館は、企画展「北斎vs北斎」(信濃毎日新聞社共催)を開いている。江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎が富士山をテーマにした代表作「富嶽三十六景」と、その後に手掛けた版本「富嶽百景」を対比しながら鑑賞でき、計61点を展示。外国人を含む大勢の北斎ファンが訪れている。

 富嶽三十六景と富嶽百景のうち、同じような構図や画法で描かれた作品を並べた。このうち弧を描く大波と遠方の富士山を描いた富嶽三十六景の「神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)」は水しぶきに臨場感がある名作。富嶽百景の「海上の不二(ふじ)」も似た構図で、左右から渦巻きながら押し寄せる波や、波の先端を舞う千鳥が描かれている。

 また富嶽三十六景の「隅田川関谷ノ里」は、慌ただしく駆ける人馬の配置で奥行きを表現。富嶽百景の「豊作の不二」も旅人らが往来する構図は似ているが、さらに遠近感を出すため幾重にも道を折り曲げて描いてあり、「北斎のイメージの発展をみることができる」(北斎館)という。

 中山幸洋学芸員(41)は「富嶽三十六景(の創作時)の感性が、そのまま富嶽百景に引き継がれている。対比から新たな発見をしてほしい」としている。富嶽三十六景をあしらい、今春から発給される日本の旅券(パスポート)のレプリカも展示している。

 19日まで、午前9時~午後5時。大人千円、高校生500円、小中学生300円。

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