運休したロープウエー。手前から3本目の支柱の脚に変形が見つかった=4日午後3時53分

運休したロープウエー。手前から3本目の支柱の脚に変形が見つかった=4日午後3時53分

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ロープウエー支柱の脚変形 中央アルプス 雪影響か 2カ月運休も

信濃毎日新聞(2020年1月5日)

 駒ケ根市の中央アルプス観光は4日、運行する中アの「駒ケ岳ロープウェイ」(駒ケ根市、上伊那郡宮田村)の支柱の脚の部分に変形が見つかり、当面運休すると発表した。点検した業者は雪による圧力が原因と推定しているという。これに伴い、山頂駅併設のホテル千畳敷も当面営業を休止する。復旧のめどは立っておらず、同社は少なくとも2カ月は運休するとの見通しを示している。年間20万人余がロープウエーを利用する中ア観光に影響が出ることは避けられない。

 同社によると、1日の社員による日常点検でゴンドラの滑車に擦り傷を確認。こすれた場所を特定するため、翌日にかけて点検を進めたところ、支柱の4本ある脚の一つが内側にねじ曲がっているのを見つけた。支柱は計6本あり、当該の支柱は麓のしらび平駅から3本目。

 同社は3日、ロープウエーの製造業者に依頼し、緊急点検を実施。雪崩か、雪が解けて動いた際に支柱へ圧力がかかったとみられるという。今後も雪崩や融雪で圧力がさらにかかる可能性があり、継続的な安全運行には修繕工事が必要と判断。同日、ホテルの宿泊客らをロープウエーを徐行運転して下山させ、4日から運休した。同社は「安全を確保した上で早期再開を目指す」としている。

 ロープウエーはしらび平と山頂側の千畳敷の両駅間約2・3キロを7分半で結ぶ。2018年度の利用者は20万2118人。繁忙期は夏場で、同年度の11月から3月の利用者は全体の1割余だった。

 麓の駒ケ根高原で旅館「西山荘」を経営する宮下昌邦社長(39)は「今日山に登ろうとしていたが諦めた宿泊客もいる。冬は登山客が少なく影響は小さいが、夏ごろの予約が決まる春先までには見通しを示してほしい」と困惑。中央アルプス観光に出資する同市の杉本幸治市長は「二次災害があってはならない。冬の間は現場での対策は難しいかもしれない」としている。

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