福井県内生産者がブランド化を進めているジャンボシイタケ「香福茸(こうふくだけ)」の目ぞろえ会が1月9日、福井県越前市の武生青果で開かれた。名前にちなんで「幸福だけ」届けるシイタケとして付加価値を高めようと、目ぞろえ会に先だって初めて「幸福祈願」の神事も行った。
香福茸は県産原木シイタケの高級ブランド。2016年から出荷が始まり、現在は鯖江市、越前町、若狭町の6農家・生産団体が栽培している。大きさには▽かさの直径8センチ以上▽肉の厚さ3センチ以上▽かさの内側への巻き込み1センチ以上―の厳しい基準を設け、その上で「美しいおわん型か」「かさと足のバランスはいいか」などの見た目もクリアした一握りしか香福茸とは名乗れない。最高基準に届かない品は、香福茸でも「銀ラベル」「姫」とランクを落として出荷される。
目ぞろえ会では生産者が見つめる中、市場担当者が一つ一つに物差しを当てて厳しくチェック。持ち込んだ約70個に対して最高基準認定は1個のみという農家もあったが、ブランド価値を高めるためにお互いに心を鬼にして基準を確認し合っていた。
幸福祈願は「香福茸を食べた人に幸福だけが訪れますように」と願いを込めて実施。生産者でつくる県しいたけ生産連絡協議会・香福茸生産部会長の姉崎敏明さん(71)=越前町=が「福井の原木を使い、福井の森で育てた香福茸。消費者の信頼を得てブランド化を進めたい。お祝いなど特別な席で食べてもらいたい」とあいさつした。
初出荷は10日から。昨季は最高基準の1箱6個入りに5万円の値が付いた。