県音楽文化協会の第57回年末公演「荘厳ミサ曲」(音文協年末公演実行委員会主催、北國新聞社など共催)は13日、県立音楽堂コンサートホールで開かれた。年末の風物詩として親しまれるベートーベンの名曲を初めて年明けに披露した。特別編成の石川フィルハーモニー交響楽団と合唱団員、ウイーンからの指揮者やソリスト総勢200人が、今年生誕250周年を迎えた「楽聖」の息吹を聴衆に伝えた。
協会によると、荘厳ミサ曲はベートーベン生誕200周年に当たる1970(昭和45)年、市観光会館で初めて演奏した。以来「第九交響曲」とともに同協会による年末公演の恒例演目として12月下旬に演奏されてきた。
音楽文化協会によると、今年は会場となる県立音楽堂の改修工事で日程が合わなかったため、1月にずれ込んでの「年末公演」となった。
今回はウイーン国立音楽大教授のダニエル・リントン・フランスさんを指揮者に迎えた。フランスさんの指揮で「エグモント序曲」が華々しく演奏された後、全5章からなる荘厳ミサ曲が約90分にわたって厳粛に奏でられた。
ソプラノの石川公美さん、メゾソプラノの但馬由香さん、テノールの与儀功さん、バリトンの三戸大久さんらソリストが独唱し、合唱団とともに信仰の喜び、平安の祈りを高らかに歌い上げた。
音楽文化協会の上口大介副理事長は「年明けの公演になったことで、生誕250周年の記念すべき年に演奏することができた」と満足そうに語った。