安曇野市豊科の新田(しんでん)区と成相(なりあい)区は13日、小正月の伝統行事で市無形民俗文化財の「福俵曳(び)き」を行った。両区の若衆が「わっしょい」と威勢のよい掛け声を市内に響かせ、結わえた綱で福俵を引き回したり、地面にたたきつけたりして、商売繁盛や家内安全を願った。
福俵は両区とも直径約50センチ、長さ約80センチ。それぞれの地区などを回り、成相区が商店街に設けた拝殿前で合流。うつぶせになった区役員ら3人の上に福俵を載せ、周りを若衆が囲い、3段の「人間ピラミッド」をつくると、見物客から歓声が上がった。
福俵は新築など祝い事があった個人宅や事業所に納める習わし。新田区の奉納先は昨年新築した個人宅で、地域住民と若衆が福俵を引き合う攻防を繰り広げた後、奉納した。
新田区長の黒岩一雄さん(66)は「自然災害のない一年を願いたい。交流を通じ、防災意識の向上につなげたい」。成相区長の藤原理康(のりやす)さん(72)は「祭りの縁を生かし、商店街の活性化に力を入れたい」と抱負を語った。