加湿器の蒸気を湯気に見立て、「湯立て神楽」を楽しげに披露する保存会員ら=19日、宮崎市

加湿器の蒸気を湯気に見立て、「湯立て神楽」を楽しげに披露する保存会員ら=19日、宮崎市

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南信州の熱気「天孫降臨」の地に 霜月祭り「湯立て神楽」披露

信濃毎日新聞(2020年1月20日)

 飯田市遠山郷(上村・南信濃)の「遠山の霜月祭り」(国重要無形民俗文化財)を同市上村上町地区で続けている保存会員ら16人が19日、霜月祭りの「湯立て神楽」を宮崎市で披露した。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に「神楽」を加えようと同市で開かれた「九州の神楽シンポジウム」の一環。八百万(やおよろず)の神を招いて生命の再生などを願う南信州の祭りの熱気を、「天孫降臨」の地とされる神話の里の人たちに伝えた。

 約50分で、五つの舞や神事を実演し、五穀豊穣(ほうじょう)などの神様「天伯(てんぱく)」などの面(おもて)が登場。神様の居場所としてかまどの上につるす「湯の上」も再現した。会場のホールでは水や火は使えず、「水王(みずのおう)」「土(つちの)王(おう)」の面を被って釜の中で沸騰した湯を素手ではじく「湯切り」は、加湿器の蒸気で湯気を表現。実際とは違う環境でも、湯切りの瞬間は、本番さながらの緊張感が走った。

 地元に江戸時代中期から続くとされる「中之又(なかのまた)神楽」があるという宮崎県木城(きじょう)町出身の中武久子さん(78)=同県高鍋町=は、初めて見た霜月祭りに「九州の神楽よりゆっくりで印象に残った」。水王を演じた古瀬智也さん(37)=飯田市=は「本物のお祭りみたいな感じだった」と振り返り、「祭りの担い手不足という課題は九州と遠山で共通する。イベントを機に無形文化遺産登録に近づけばいい」と話した。

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