象山神社で横田秀雄を紹介する看板の設置作業を見守る部会員たち

象山神社で横田秀雄を紹介する看板の設置作業を見守る部会員たち

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松代の偉人に脚光を 功績紹介の看板、史跡と合わせ11カ所に

信濃毎日新聞(2020年1月23日)

 長野市松代地区住民自治協議会内の「歴史文化とまちづくり部会」が、地元ゆかりで歴史上功績を挙げた人や史跡を紹介する看板を地区内の寺社や公園など11カ所に立てた。住民に地域への愛着や誇りを育んでもらう他、観光客が歴史に理解を深めながら回遊できるようにする。インバウンド(海外誘客)による観光振興も狙って英訳付きにした。2020年度以降も作業を進め、最終的に20カ所まで増やす構想だ。

 特徴的な功績を残しながら、松代とのつながりがあまり知られていない人物などについて、街中のゆかりの場所で分かりやすく紹介。部会員の手塚忠憲さん(70)が史料集めから担い、200〜300字程度の紹介文を考えた。

 看板は高さ約1・6メートルのアルミ製。松代出身の童謡作曲家、海沼実(1909〜71年)については、歌碑のあるつつみ公園に立てた。38(昭和13)年に「お猿のかごや」が大ヒットした後、「あの子はたあれ」「ちんから峠」など数多くの作品を生み出したと紹介。「日本童謡界屈指の功績者」とたたえた。

 象山神社には、現在の最高裁長官に当たる大審院長を務めた松代出身の横田秀雄(1862〜1938年)の看板を設置。23(大正12)年に摂政宮(後の昭和天皇)が東京・虎ノ門で狙撃された「虎ノ門事件」の審理を担当したことなどに触れた。神社の建立に尽力したという。

 他に、地域にかつてあった映画館「松代活動館」、大衆演芸場「海津座」などを取り上げた。「自分が練った文章が形になって残るのは、うれしいけど恥ずかしいね」と手塚さん。「地域の子どもたちや松代を訪れる多くの人に見てほしい」と期待する。

 同部会は、松代の歴史や史跡を生かした地域振興を目指し、江戸時代から残る建物や庭園などを生かした街並みづくりや、旧長野電鉄屋代線の松代駅舎の利活用について考える講座などを開いてきた。

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