岩場一面に張り付いたノリを採る組合員=志賀町福浦港

岩場一面に張り付いたノリを採る組合員=志賀町福浦港

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福浦港、岩ノリ豊漁 志賀、昨季の2倍超収穫 「適度な強さの波」に恵まれ

北國新聞(2020年1月25日)

 石川県志賀町福浦港(ふくらこう)で岩ノリが近年にない豊漁となっている。輪島市など不漁にあえぐ地域がある中、漁期を1カ月以上残し、収穫量はすでに昨シーズンの2倍超を記録。岩ノリは波の強さが生育に影響することが知られている。県水産総合センター(能登町)は詳細なデータは取っておらず「適度な波の恵み」と言うほか無く、採取作業は連日活気づいている。
 福浦港一帯の岩ノリ採りは、県漁協福浦港支所の組合員が競りで買う「のりじま」と、自由に出入りできる岩場で行われている。同支所の能崎英文参事によると、12月の解禁当初から岩ノリがよく採れているという。
 組合員が採った岩ノリの正確な収穫量は算出していないものの、同支所が発注を受けた販売用の袋は、すでに昨年の倍以上となる6千袋を超えた。
 県水産総合センターによると、岩場に付着したノリの胞子を成長させるためには適度な強さの波が必要となる。日々の波の強弱や当たる角度によって、育ち方に違いが出る。県内の海藻を研究している池森貴彦技術開発部主任研究員は、生育が進んだ岩ノリは強い波を受けた場合、岩場からはがれやすいとし「福浦港は幸運にも、過剰な波に見舞われなかった。波当たりがよかった」とみている。
 漁期は2月末までで、例年は1月末までが最盛期となっている。岩ノリは磯の香りとこしの強さが特徴で、10枚1束2500円で販売され、特に1月中に採れる寒(かん)ノリはつやもあって人気が高い。
 長年、岩ノリ採りを行っている組合員の岩崎敏子さん(80)は「この数年では一番の収量。もう少し頑張りたい」と話し、忙しく手を動かしていた。

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