理化学研究所計算科学研究センター(神戸市)の「スーパーコンピューター『富(ふ)岳(がく)』を知る集い」(北國新聞社後援)は25日、金沢市の金沢歌劇座で開かれ、約340人が富士通ITプロダクツ(かほく市)で製造されている次世代のスパコンについて学んだ。
富岳は計算能力で世界一となった「京(けい)」の後継機で、約400台の計算機で構成される。昨年12月から出荷が始まった。
会場には、搭載される最新鋭の中央演算処理装置(CPU)やメモリーユニットが展示され、理研の研究者が性能を語った。高さ約2メートル、奥行き約1・4メートル、幅約80センチの実物大のモデルも並び、参加者は大きさを実感した。
開発に携わった理研の堀敦史研究員が講演し、富岳の計算機10台と京の864台が同じ性能を持つことや、省エネ性能が京の18倍以上あることを紹介し、「計算能力の速さだけでなく、使い勝手の良さも追求している」と述べた。
天気予報や人工知能(AI)などへの活用の可能性についても説明された。
高校でプログラミングを学ぶ白山市の山口侑大さん(15)は「思ったより大きかった。自分も技術者としてスパコンに関わりたい」と話した。
理研によると、これまでに約100台の計算機が納入された。6月までに全台を設置して試験運用を始める計画で、2021年度から供用を開始する。