江戸時代から続く福井県勝山市の冬の風物詩「勝山年の市」が1月26日、市中心部の本町通りで開かれた。青空が広がる中、市内外の50店が木工品や伝統食など自慢の逸品を売り、大勢の買い物客で活気づいた。
市街地に雪はなく、約350メートルの通りにまな板、めん棒を含む木工品、かき餅、鯖(さば)の熟(な)れ鮨(ず)しといった保存食などがそろった。呼び込みの声が飛ぶ中、来場者はお目当ての商品を買い求めたり、じっくりと品定めしたりしていた。
「むらの達人」のコーナーでは、ござ帽子や竹細工など熟練の技を披露。オークション形式で商品を購入する「まちセリ」もあり、買い物客が争奪戦を繰り広げた。
大野市の女性は「鯖の熟れ鮨しを楽しみにしてきた。今年は暖かいし、雪もなくて歩きやすい」と商品を手に笑みを浮かべた。
年の市は18世紀半ば、農家や山仕事の人らが副業で作った生活用品などを売り出したのが始まり。現在は1月の最終日曜に開催されている。