アートを活用した大分県別府市での取り組みについて語る山出さん=1月24日、福井県越前市のあいぱーく今立

アートを活用した大分県別府市での取り組みについて語る山出さん=1月24日、福井県越前市のあいぱーく今立

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「アートはまちの触媒」 越前市でインバウンド勉強会

福井新聞(2020年1月27日)

 アートの力で大分県別府市を活性化しているNPO法人「BEPPU PROJECT(ベップ・プロジェクト)」の山出淳也代表(49)の講演会が1月24日、福井県越前市のあいぱーく今立で開かれた。まち全体を舞台にした芸術祭などを開き、温泉街を多くのアーティストが移住してくるまちに再生した山出さん。「固定観念を崩すのがアートの役割。創造力は自由なものの見方を促し、気づきを生むまちの『触媒』になる」と語りかけた。

 自らアーティストとして海外で活動してきた山出さんは2005年にベップ・プロジェクトを立ち上げ、別府現代芸術フェスティバル「混浴温泉世界」などの芸術祭を開いて観光客を多数誘致。まちなかの空き物件を改装してアーティストの活動場所をつくり、移住や新規出店につなげるなどの成果も上げている。

 アートを切り口にベップ・プロジェクトが現在手掛けている事業は▽教育▽移住促進▽福祉▽観光▽農産品の商品化▽ビジネス支援―などに拡大。NPO法人として年間3億円を売り上げ、持続可能な仕組みを実現させている。

 山出さんは企業誘致で人口を増やし、第3次産業を発展させる考えを「20世紀の都市モデル」と説明。別府では最初にアートでまちのイメージを向上させ、創造的な人材を誘致し、そうした人材が地域に起こす"化学反応"から新しい産業が生まれていると強調。「アートや創造力は社会を豊かに変えるエネルギーになる」と語った。

 講演会は越前市観光協会が今年始めたインバウンド勉強会の第2回。市内の観光や伝統工芸の関係者ら約40人が熱心に耳を傾けた。

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