絵はがきや色紙などをまとめたびょうぶを見てほほ笑む甲さん(左)ら

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寺所蔵の色紙や絵はがき びょうぶに 滑川の無縁寺が展示

北日本新聞(2020年1月29日)

 滑川市中町の無縁寺の住職、甲明親(かぶみょうしん)さん(75)は、寺で受け継がれる巻物や南画、絵はがきなど計600点以上をびょうぶや額にして残している。「終活」で寺院内の整理や修繕に取り組むうち、「感謝の気持ちを込め、日の目を見るような形で後世に残したい」と、地元の表具師に依頼した。一部は本堂に置いており、寺を訪れる人たちの目を引いている。

 無縁寺は江戸時代から浄土宗の寺として300年以上の歴史がある。所蔵品の中には、真宗学者で参院議員や富山大学長も務めた梅原眞隆(滑川市寺家町生まれ)の書や戦死者の記録など、古くから寺に伝わる物も多い。甲さんや先代住職宛てに届いた絵はがきや絵手紙は約500枚に上る。

 甲さんはこのような大切な品々を単にケースに入れて整理するのはもったいないと考え、一目で見られるように残そうとした。中には作者不詳の作品もあり、書き手の判明につながってほしいとの思いもあった。

 依頼を受けた中村三昌堂表具店(同市河端町)の代表、中村啓吾さん(53)は「珍しい依頼で、かつ数も多くて驚いた」と話す。2人で相談しながら一昨年6月から作業を進め、約1年かけて完成させた。600点以上を「仏様関係」「美術作品」といったジャンル別に分け、12枚のびょうぶと6枚の額に収めた。

 寺を訪れた人からの反響も大きく、甲さんは「これからも長きにわたって大切に引き継いでいってほしい」と願っている。

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