石川の冬を彩る食のイベント「フードピア金沢2020」(北國新聞社特別協力)は1日、金沢市内の各地でイベントが行われ、来場者が冬の味覚や金沢の文化に触れた。材木町周辺では「金澤町家周遊ツアー」が始まり、参加者が町家巡りや旬の素材を使った料理を楽しみ、城下町の風情を味わった。
兼六元町の市指定保存建造物「越村邸」では、切り妻屋根や土塀、門などを見学した。案内役を務めた金澤町家研究会の坂本英之金沢美大教授は、越村邸は加賀藩士として仕えた山森氏の住居であったと説明し、「しっくい壁や庭木、門などに武士の住宅の特徴がよく表れている」と解説した。
参加者は近代和風住宅など趣が異なる3軒の町家を巡り、かなざわ玉泉邸で料理に舌鼓を打った。
金澤町家は1950(昭和25)年までに建てられた伝統的な構造や意匠を有する木造の建築物。市の2017年度調査では6125軒あったが、老朽化や維持の負担などから年間約100軒が取り壊されているとされる。
ツアーは16日まで全5コースで実施される。29日まで、町家を活用した飲食店12店舗が参加するスタンプラリーも開催する。