奇面をつけ「アマメー」と声を張り上げる子どもたち=能登町秋吉

奇面をつけ「アマメー」と声を張り上げる子どもたち=能登町秋吉

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アマメハギ 能登で面をつけた神が家々に

北國新聞(2020年2月4日)

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産である「能登のアマメハギ」が7日、秋田県男鹿(おが)市で開かれる「来訪神サミット」に参加し、実演することになった。「来訪神仮面・仮装の神々」として無形文化遺産に登録された2018年以降、石川県外のイベントで披露するのは初めてという。他の来訪神行事の継承地との交流で、担い手不足など継承の課題を掘り下げる。
 来訪神サミットは、ユネスコ無形文化遺産登録を記念し、初めて開催される。シンポジウムは「来訪神行事を未来へつなぐ」をテーマに地元の「男鹿のナマハゲ」など全国9行事の関係者が意見交換する。県内からは、輪島市の「能登のアマメハギ・面様年頭(めんさまねんとう)保存会」、能登町の「秋吉地区アマメハギ保存会」が参加する。サミットでは輪島市門前町皆月のアマメハギが披露され、皆月青年会とOB4人が、天狗(てんぐ)や「ガチャ」と呼ばれる鬼、猿などの面を付けて会場を回る。県外での実演は6年ぶりとなる。
 皆月のアマメハギは約10年前までは毎年1月6日に行っていたが、担い手の確保が困難で、2011年から帰省者が多い1月2日に日程を変更した。
 サミット前日には、交流会も開かれる。青年会長の升本一理さん(35)は「どこの地域も継承が大変だと思う。どのようにして行事を続けているのか聞いてみたい」と話した。
 能登町の秋吉、河ケ谷(かがたに)、清真(きよざね)、宮犬の4地区で3日、「アマメハギ」が行われ、奇面をつけて来訪神に扮(ふん)した子どもたちが「アマメー」と元気よく叫びながら家々を回り、家人の怠け心を戒めた。
 同町のアマメハギは立春前夜に家内安全と豊作を願う厄払い行事。いろりに長く当たるとできる火だこ「アマメ」を剥ぐと家人を脅し、春耕準備を促す。国重要無形民俗文化財にもなっている。
 秋吉地区では蓑(みの)を身に着けた年長児から中学生までの9人が、住民が設置した竹灯籠の明かりに導かれて約30軒を巡った。秋吉地区アマメハギ保存会顧問の天野登さん(84)方では、奇面の子どもたちが模造の包丁で「サイケ」と呼ばれる手おけを打ち鳴らすと、いろり端にいた幼児は泣き声を上げ、母親にしがみついた。

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