国天然記念物に指定されている発生地(奥)にガマやヨシが生い茂る中、葉を広げたオニバス=昨年夏、氷見市の十二町潟水郷公園

国天然記念物に指定されている発生地(奥)にガマやヨシが生い茂る中、葉を広げたオニバス=昨年夏、氷見市の十二町潟水郷公園

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氷見十二町潟オニバス再生策探る 市が新年度調査

北日本新聞(2020年2月11日)

 氷見市は新年度、市内の十二町潟水郷公園でオニバス発生地(約1万5千平方メートル)の環境を緊急調査する。発生地としては国内で唯一、天然記念物に指定されているが、ここ40年間は自生が確認されていない。ドローンを使ってオニバスの邪魔になるガマやヨシが茂る面積を測量。茎を荒らすアメリカザリガニやクサガメなどの生息状況を調べ、再生への手掛かりを探る。新年度予算に事業費200万円を盛り込んだ。

 オニバスはスイレン科の一年草で絶滅危惧種となっている。氷見市では大型のオニバスが多数見られるとして1923年、十二町潟上流の万尾(もお)川が発生地として国天然記念物に指定された。68年には川の改修工事などで見られなくなり、翌69年に指定地が十二町潟内の上流域に変更された経緯がある。

 オニバスの種は休眠することが知られており、100年経過しても花を咲かせる。天然記念物に指定されていない十二町潟内の下流域では、ガマを刈るなどし、2005年に26年ぶりにオニバスを確認。近年も地元住民や市オニバス研究会のメンバーが発生地のそばで環境整備に取り組んだところ、オニバスが葉を広げた。現在はその周囲をネットで囲み、カメやザリガニから守っている。

 市は市議会での予算可決を待って文化庁などに調査の許可を申請する。21年度まで2年間かけて状況を把握し、再生について有識者から意見を聞く方針。市教委の西尾正輝主任学芸員は「十二町潟の現在の環境がオニバスの自生に適合しているのか明らかにし、保全に向けて取り組みたい」と話している。

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