音楽教育の歴史を紹介する特別展=福井県坂井市の県教育博物館

音楽教育の歴史を紹介する特別展=福井県坂井市の県教育博物館

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唱歌、童謡見て聴いて 音楽授業の変遷紹介 福井・坂井

福井新聞(2020年2月13日)

 福井県坂井市の県教育博物館で特別展「時を超えて出逢(あ)う 唱歌と童謡~懐かしの音楽教科書~」が開かれている。長い年月を経てもなお、日本人の心をとらえ続ける唱歌と童謡の誕生秘話や音楽教育の変遷を、明治時代から現在までの教科書を用いて紹介している。3月22日まで。

 日本の音楽教育は、1872年の学制発布によって誕生した「唱歌」授業から始まった。当初は指導に当たる教員がおらず、外国の音楽や賛美歌の曲に文語体の詩をあてて歌にしていた。81年に刊行された最初の官製音楽教科書「小学唱歌集」に掲載された「見渡せば(後のむすんでひらいて)」もその一つで、フランスの教育思想家、ルソー作曲のオペラ「村の占い師」に、古今和歌集の一部を当てはめて作られた。

 しかし、文語体の歌は子どもたちにとっては歌いにくく、97年には言文一致唱歌運動が発生。それでも当時の文部省は、格調高い歌にこだわり、日本人の優秀な音楽家たちを集めて作詞作曲させ「尋常小学校読本唱歌」を刊行、「故郷(ふるさと)」などの名曲が「文部省唱歌」として世に出た。1918年ごろには、自由教育運動を背景に、口語調の芸術性の高い歌を作ろうと「童謡運動」が起き、子どもの心情に合った詩に曲がつけられた童謡が誕生した。

 同館によると、唱歌と童謡に共通する特徴は「日本の豊かな季節感を表現した詩と歌い、覚えやすいメロディー」という。文部省唱歌は小学校の各学年4曲の計24曲、童謡は「歌いつごう 日本の歌」として今も、音楽の教科書に掲載され続けている。

 教育内容も時代とともに様変わりし、さまざまな楽器で繰り返し合奏を練習するような授業から、現在は身の回りのものを使い、自分たちで音を作る創作中心の授業に変化している。特別展では、それぞれの時代の教科書や学習指導要領などを並べている。

 館内では、唱歌60曲と童謡47曲が試聴できる。入館無料。開館時間は午前9時~午後5時。月曜休館。

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