円柱状に盛られた「もっそう飯」を食べる参加者=輪島市久手川町

円柱状に盛られた「もっそう飯」を食べる参加者=輪島市久手川町

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山盛りご飯で先人しのぶ 輪島で「もっそう祭り」

北國新聞(2020年2月17日)

 山盛りのご飯を食べる奇祭「もっそう祭り」が16日、輪島市久手川(ふてがわ)町で行われた。地元住民ら9人が年貢の取り立てに苦しんだ先人をしのび、5合のご飯を盛った朱塗り椀(わん)を手に箸を進めた。
 会場の久手川町集会所では、午前3時半ごろから5升の米が炊かれ、円筒状の木枠「もっそう」を使って、高さ約20センチ、直径12センチに盛られたご飯が用意された。住民は午前5時半ごろから集まった。
 住民はご飯を少しずつ箸で崩し、輪島塗の御膳で提供されたワラビのからし和え、大根の酢和え、ゴボウや団子、豆腐のみそ汁などと一緒に黙々と味わった。誰も完食できず、残ったご飯を重箱に移して持ち帰った。
 同市久手川町の農業河原孝一さん(72)と一緒に、志願して初参加した孫の山崎叶翔ちゃん(6)=金沢市=は「お椀を持った時は重かったけど、おいしかった」と笑顔を見せた。河原さんは孫に対し「先人が苦労してつくった文化だ。米を大切に食べてほしい」と思いを込めた。
 もっそう祭りは江戸時代に農民が役人の目を盗み、隠し田で収穫した白米を年に一度、腹いっぱい食べたのが始まりとされる。現在は地元の18軒が当番を務めて継承している。

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