巧みに「でく」を操る出演者=白山市深瀬新町

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初舞台の4人堂々と 白山・深瀬新町で「でくまわし」

北國新聞(2020年2月17日)

 国重要無形民俗文化財「尾口のでくまわし」を受け継ぐ白山市の深瀬でくまわし保存会に、新たに4人が加わり、16日に同市深瀬新町で行われた公演でデビューした。4人は「でく」と呼ばれる人形を操る「まわし手」と語り手の「太夫」として堂々と出演し、白山麓に伝わる伝統芸能の継承を誓った。
 4人はいずれも、350年以上前からでくまわしが伝わる旧尾口村深瀬の出身者とその家族。鶴来地域の深瀬新町では、手取川ダム建設の際に移住した深瀬出身者らが伝統の人形浄瑠璃を継承しており、4人は同級生の会員から誘いを受けメンバーに加わった。
 でくまわし保存会館で行われた公演には、会員16人が出演した。開演を告げる三番叟(さんばそう)に続き、「門出八島(かどでやしま)」の初段と「源氏烏帽子折(えぼしおり)」の三段、四段が上演され、約150人が見入った。
 太夫を務めた道上哲夫さん(70)=金沢市三十苅町=は「同じ太夫をしていた父親を思い出した。でくまわしが好きなのでこれからも頑張りたい」と話した。4人の加入に北村良美会長は「後継者を育てる力になってほしい」と期待した。
 尾口のでくまわしは、深瀬のほか、旧尾口村東二口にも伝わる。市東二口歴史民俗資料館では同日、東二口文弥人形浄瑠璃保存会がでくまわしを披露する「東二口文弥まつり」が最終日を迎え、会員が「大職冠」を熱演した。

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