木曽郡南木曽町でゲストハウスを経営する「フォークロア」が16日まで、南木曽駅前の空き家をゲストハウスに改装するワークショップを開いた。1月半ばから土日曜日の全10日間で町内外の延べ約40人が参加。床板を張り直したり腰掛けを作ったりした。
同社の熊谷洋社長(36)は東京のIT企業勤務を経て、「大量生産、大量消費と異なるライフスタイル」を模索。町に移住し、古い物を生かす暮らしを実践しようと古民家でゲストハウスを始めた。今回の駅前の建物は「マウンテン南木曽」と命名。3月の開業を目指している。
マウンテン南木曽の改装は浴室など専門技術が必要な部分を除き、従業員が担う。古い家などから譲り受けた木材を薄く切って壁に貼り付けるなど、古い物を生かす工夫をしている。熊谷さんは「町内にもカフェを経営してみたいと思う人がいる。ワークショップがそんな人の参考になればいい。仲間づくりにもつなげたい」と期待する。
15日のワークショップに参加した同郡大桑村の会社員金田亮(あきら)さん(38)は腰掛けの金属製の脚に座面の板を取り付けた。まだ小さいわが子の本棚を作るなど木工が好きといい、「自分の手の入った施設が使用されると思うとやりがいを感じる」と話していた。