昨年9月に試作品を演奏する神田教授

昨年9月に試作品を演奏する神田教授

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ガラスのフルート完成 ガラス工房・桐朋学園・富山市タッグ

北日本新聞(2020年2月27日)

■3月10、11日に演奏披露

 富山ガラス工房(富山市古沢)は、桐朋学園富山キャンパス(同市呉羽町)と共同でガラス製の楽器を作った。ガラスと音楽を融合した新しい文化を創造しようと富山市が企画し、3者がタッグを組んで実現した。3月10、11の両日に、桐朋オーケストラ・アカデミーの学生とフルート奏者の神田寛明桐朋学園大教授(東京)が富山市内で演奏を披露する。

 富山市は「ガラスの街づくり」に取り組むとともに、桐朋学園富山キャンパスを誘致し、ガラスと音楽の文化振興を図っている。今回製作したのは、フルートの前身となった古楽器「フラウト・トラヴェルソ」。四つの部品から成る複雑な構造をしており、他で作られていない独自のガラス製楽器を作ろうと、神田教授の発案で決まった。

 富山ガラス工房にとっては2008年にガラス製のホルンを作って以来、2度目の楽器製作。作家の技術力向上や、ガラス作品の可能性の大きさをPRできる好機と捉え、市の依頼を快諾した。製作は工房の推薦で、射水市のガラス作家、泉秀明さん(35)が手掛けた。10年前までは富山ガラス工房に勤め、現在は自身の工房で活動している。

 音の出る楽器の製作は初めてで「見た目の美しさはもちろんだが、性能を追求することに苦労した」と言う。四つの部品を組み合わせるため、接合部分に少しでもずれや隙間があると、きれいな音色が出なかった。昨年5月ごろから3カ月ほど試行錯誤して試作品を製作。神田教授と学生5人に吹いてもらい、意見を参考に微調整を繰り返した。今年1月末ごろに、ピンクや黄色、無色の透明など計5種類を完成させた。

 演奏会は、10日にTOYAMAキラリで午後2時から、11日は市役所で午後0時20分から開かれる。富山ガラス工房の野田雄一館長は「ガラスならではの鮮やかな彩色が見どころ。音色はもちろん、カラフルな色合いをぜひ楽しんでほしい」と力を込める。

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