福井城址(し)で平成以降に発掘された笏谷石製の水路や井戸枠が3月8日まで、福井県福井市文化財保護センター(旧至民中校舎)で展示されている。
笏谷石を構成文化財とする「石から読み解く中世・近世のまちづくり 越前・福井」の日本遺産認定を受け、本年度の発掘速報展に合わせて展示した。
文化財保護課によると、笏谷石は古墳時代は棺に、中世は墓石に使われた。軟らかく加工しやすい特長から、近世になって城下の瓦や井戸枠、水路などに広く使われるようになった。
地中に埋められ排水路に使われたふた付きの「U字溝」や、板状の井戸枠を展示。石臼や容器も並べた。
入場無料。ひな祭りの時季に合わせ、ハマグリのお吸い物を食べる風習にちなんだ貝のストラップづくりを3日まで体験できる。
市教委は本年度、市内4カ所を試掘したが発掘調査はなかった。新年度は福井駅東口の新幹線駅拡張施設の建設予定地を発掘調査する。