大成寺で行われた座禅体験。ツアー参加者の約半数を外国人が占めた=3月1日、福井県高浜町日置

大成寺で行われた座禅体験。ツアー参加者の約半数を外国人が占めた=3月1日、福井県高浜町日置

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釈宗演の精神、訪ね学ぶ 外国人ら座禅体験 福井・高浜

福井新聞(2020年3月2日)

 福井県高浜町出身で禅を世界に広めた明治時代の高僧、釈宗演(しゃくそうえん)(1859~1919年)ゆかりの地を巡るツアーが3月1日、同町内であった。県内外からの参加者が生誕地を訪ね、座禅にも挑戦。和を重んじる宗演の精神を学び、地元に根付く禅文化に親しんだ。

 参加者20人のうち外国人が9人を占めた。同町日置の禅寺、大成寺(だいじょうじ)では座禅を体験。松浦鎮信(ちんしん)住職(73)が「禅とは人間がいかにあるべきかを問う哲学。座禅はそれを体験するためにある」と説明した。参加者は足を組んで座り、約30分間じっくり自分を見つめた。ほとんど音がしない空間で、時折警策で背中をたたかれる「バシッ」という音が響いた。

 小浜市在住の米国人、ドグ・オールマンさん(30)は「希望して2回警策でたたいてもらったが、集中するスイッチが入った。座禅はとても良かったが、後半は足が少ししびれたね」と苦笑いした。

 同町三明の町まちなか交流館では、町民でつくる「釈宗演顕彰会」の伊藤彰会長から、宗演の功績や精神について話を聞いた。石碑が建つ同町若宮の生誕地や、宗演が幼少時に読み書きを習った同区の長福寺を歩いて訪ねた。同町宮崎の佐伎治(さきち)神社にある宗演が書いた社号碑も見学した。

 愛知県から参加した池田香奈さん(37)は「宗演が和を大切にする人物であることを知った。今の不安定な世界にこそ、必要な精神では」と感じ入っていた。

 ツアーは住民有志でつくる「高浜まちづくりネットワーク」が企画。福井県の新幹線開業おもてなし活動プラスワン事業の委託を受けて実施した。

 【釈宗演】1859年、高浜町若宮で生まれた。85年に慶應義塾に入学。洋学や英語を学び、セイロン(現スリランカ)へ留学した。92年に円覚寺派の管長に就任。93年に米シカゴで開かれた第1回万国宗教会議に出席し、初めて仏教を説き「ZEN」が世界に広がるきっかけをつくるなど、国内外で布教に熱を注いだ。作家夏目漱石とも関わりがあり、漱石の葬儀では導師を務めた。

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