滞在中の小学生の面倒を見る「幸の湯」の社員(中央)=山ノ内町

滞在中の小学生の面倒を見る「幸の湯」の社員(中央)=山ノ内町

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信州の宿に子ども預けて 県内施設、相次ぎ連泊プラン

信濃毎日新聞(2020年3月11日)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う学校の一斉休校とテレワークの広がりを受け、県内の宿泊施設が子どもを受け入れる新プランや家族向けの連泊プランを相次ぎ打ち出している。子どもの預け場所に困っている共働き夫婦やひとり親家庭、人混みを避けたいと考える首都圏の保護者らのニーズに対応。国内外の旅行客が大幅に減っている中、宿泊者を呼び込もうと知恵を絞っている。

 スキー客の利用が多い志賀高原(下高井郡山ノ内町)の旅館「幸の湯」は3月初めから、小学生らを受け入れて面倒を見るプランの提供を始めた。日中は従業員が子どもと一緒にスキーをして、宿題をサポートする。3泊以上から利用でき、3食付きで1泊当たり1人1万円。公共交通機関での移動を避けたい首都圏の宿泊者向けに、別料金で車による送迎も行う。

 7日から家族で宿泊し、9日に小学5年生の長男を預けて仕事に戻った都内の夫婦は「共働きで、子どもを家で1人にするのが心配だった」と話した。塾や習い事も中止になり、子どもの居場所も限られていたという。今週末に迎えに来る予定。滞在中は子どもの体温を従業員が毎日チェックし、体調を確認する。

 幸の湯では、新型ウイルスの感染拡大に伴うスキー大会の中止で約300万円分の宿泊がキャンセルになった。損失を少しでも補おうと、2泊分の料金で3泊できるテレワーク向けのプランも新設し、誘客を図っている。

 茅野市と諏訪市で温泉旅館を経営する親湯温泉(茅野市)は2泊以上の家族連れを対象に、小学生以下2人までを無料、大人も10%引きとするプランを新設。3、4月の売り上げは前年比2〜3割減の見通しだが、新プランは首都圏などから予約が好調という。同社の施設ではもともと個室で食事を提供しており、柳沢幸輝社長は「比較的安心して利用してもらえるのではないか」と期待する。

 星野リゾート(北佐久郡軽井沢町)が山梨県北杜市などで展開する西洋型リゾートホテル「リゾナーレ」では、テレワーク中の保護者が託児サービスを利用し、子どもは工作体験もできるプランを設けた。館内のビュッフェ式レストランには、料理を取り分ける個人専用のトングを用意。パックに詰めて客室に持ち帰れるサービスも始めた。

 旅先で仕事をする「ワーケーション」を同社が軽井沢町内で運営する温泉施設や喫茶店を利用しながら体験できるプランは、当初の1月中旬から3月中旬までの予定を4月下旬まで延長した。担当者は「気分転換を兼ねて利用してほしい」としている。

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