洋画の入賞作を鑑賞する開場式出席者=金沢市の石川県立美術館

洋画の入賞作を鑑賞する開場式出席者=金沢市の石川県立美術館

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現代美術展 希望咲かす、文化の力

北國新聞(2020年3月27日)

 第76回現代美術展(一般財団法人石川県美術文化協会、北國新聞社など主催)の開場式は26日、金沢市の県立美術館で行われた。新型コロナウイルスの感染拡大で全国的に自粛ムードが広がる中、出席者は心を潤す美の力を再確認し、現美が「希望の花」として咲き誇るよう願った。同美術館と金沢21世紀美術館で27日午前9時半から一般公開が始まる。
 感染拡大を防ぐため、開催記念パーティーを見送った今年の現美。それでも開場式には、美術工芸王国を支える作家が顔をそろえた。県美術文化協会会長の飛田秀一北國新聞社会長は「こんな時だが、変わらず集まっていただき、例年に増して感謝を申し上げたい」とあいさつした。
 現代美術展は、終戦から間もない1945年10月、石川の復興の先駆けとして開かれた第1回展で、美に飢えていた人々の心を満たして以来、文化立県の核となってきた。今回はその力が世の中の閉塞(へいそく)感を吹き飛ばそうとしている。
 飛田会長は今年の現美について、金沢学院大と金沢美大からそれぞれ14人が入選するなど学生の躍進を紹介し「若い芽が育っていることを実感し、うれしく思っている」と令和初の開催に期待を寄せた。
 さらに1995年の第51回展委嘱の部で美術文化大賞を獲得した後、長く出展していなかった洋画の開光市(ひらきこういち)さん(白山市)が今回、一般の部で再挑戦し、入賞したことも紹介した。
 谷本正憲知事は、7月に金沢に移転開館する国立工芸館に触れ「移転しても違和感がないという評価を与えてくれたのが現美であり、存在は大きい」、山野之義金沢市長は「沈滞ムードの中で、頑張ろうという気持ちになってくれるのではないか。多くの人に『石川に現美あり』と伝えたい」とそれぞれ祝辞を述べた。
 フルートの松木さやさんとハープの上田智子さんの演奏が披露された。
 4月13日までで、委嘱、一般の各6部門と遺作で1100点が展示される。洋画、工芸、写真は県立美術館、日本画、彫刻、書は金沢21世紀美術館で展示される。

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