住吉さん(左)から手ほどきを受ける田中さん

住吉さん(左)から手ほどきを受ける田中さん

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仏師弟子入り講座人気 上市の住吉さん工房

北日本新聞(2020年3月31日)

 上市町に滞在しながら、小さな仏像を彫る体験講座が、首都圏や関西などの愛好家の人気を集めている。教えるのは、同町在住の仏師、住吉太雲(たいうん)さん(43)。自分の手で完成させることにこだわり、何度も町を訪れる受講者もいるという。町観光協会は「講座をきっかけに上市の魅力に触れてほしい」としている。

 講座は東京の旅行会社「風の旅行社」が「仏師への弟子入り」をイメージして2017年から始め、町観光協会が協力している。

 当初は町中心部の熊野町にあった住吉さんの工房で開いていたが、18年に大岩山日石寺の門前旅館だった建物に工房を移した。歴史と自然を感じながら、制作に打ち込める環境だ。

 講座は3日間コース。定員は2人で、代金は交通費・宿泊費別で6万500円となっている。受講者は近くの旅館などに宿泊しながら、住吉さんの手ほどきを受ける。クスノキの木片から、高さ約15センチの手のひらサイズの御持仏(ごじぶつ)を彫り上げる。

 完成しなかった場合は、住吉さんが仕上げて受講者に送るが、自らの手で完成させたいとして、講座を複数回受講する人が増えてきた。

 大阪府豊中市の田中淑子さん(58)もその一人。仏像彫刻に関心があり、昨年4月と9月に受講したが、最後まで仕上げることができなかった。2月下旬の3回目の講座で、仏像の目を制作し、完成させた。

 田中さんは受講するまで県内を訪れたことがなく、講座を受けながら日石寺で滝行を体験したり、剱岳の眺望を楽しんだりした。「訪れるたびに上市が好きになる。また来てみたい」と言う。住吉さんは「仏像を彫ることに向き合いながら、豊かな自然にも触れてほしい」と話している。

 問い合わせは上市町観光協会、電話076(472)1515。

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