福井県敦賀市の春の風物詩「花換まつり」が4月1日、同市金ケ崎町の金崎宮で始まった。新型コロナウイルスの感染拡大で規模を縮小し、「福娘」と呼ばれる巫女との花換え神事や各種イベントは中止。桜の小枝販売などに限定し15日まで行う。
明治時代に始まったとされるまつりで、同宮を訪れた男女が「花換えましょう」と桜の小枝を交わして思いを伝えたことに由来する。
爆発的な感染拡大前の1、2月にかけて同宮は桜の小枝を約3千本準備。1本500円で社務所で販売している。福娘との花換えで参加できる「花換抽選会」が中止となったため、購入した小枝の番号を使った抽選会を開く。婚活イベントや飲食・物販ブースなども取りやめた。
夜間の防犯などを目的にした桜のライトアップは期間中の午後6時から同9時まで。本殿祭は5日に関係者のみで営む。感染沈静化や人々の幸せなどを祈る。
現在、同宮の桜はほぼ満開だが、団体旅行客らのキャンセルが相次いでいる。田村典男宮司は「今は社会に閉塞感が漂っている。桜を見てもらい、少しでも和らげば」と話した。