軽井沢町の「軽井沢絵本の森美術館」は開館30周年記念企画展「グリム童話のメルヒェン旅行記」を6月22日まで開いている。絵に焦点を当て、1800年代以降、各国で出版された初版本や挿絵約120点を展示。作家や時代の違いを追いながら、語り継がれる名作の軌跡をたどることができる。
同館によると、1812年に出版された当初のグリム童話は文章だけだった。風刺画家が挿絵を付けたことで世界的な人気になり、その後も多くの作家がグリム童話の挿絵を手掛けたという。
展示は初期に挿絵を描いたジョージ・クルックシャンクをはじめ、20世紀初頭を代表する挿絵画家アーサー・ラッカム、ウォルター・クレインらの作品が並ぶ。「ヘンゼルとグレーテル」「赤ずきん」といったなじみ深い話の絵も多く、各作家の個性がにじむ。展示は年代順で、徐々に色彩が豊かになる様子や、絵と文が補完し合う現代絵本の原型も感じ取れる。
関連企画として、グリム童話の人気10話から上位3話を来館者の投票で決める「総選挙」も実施中。隣接するエルツおもちゃ博物館・軽井沢ではグリム童話に関連するドイツのおもちゃを展示している。
午前9時半〜午後5時。大人950円、中高生600円、小学生450円。火曜休館。問い合わせは軽井沢絵本の森美術館(電話0267・48・3340)へ。