天上からつるした「紙束」を眺める小泉さん

天上からつるした「紙束」を眺める小泉さん

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アートな「紙束」楽しんで 伊那の小泉さん、製本時の端材を活用

信濃毎日新聞(2020年4月8日)

 伊那市美篶(みすず)に工場がある製本会社「美篶堂」(東京)の工場長小泉翔さん(31)=東京都出身=が、製本時に出る端材を使った芸術品作りに取り組んでいる。色とりどりの紙を幅1ミリに切ってそろえて束ね、置いたり、つるしたり、額に入れたり...。「紙(かみ)束(たば)」と名付け、紙による表現の可能性を楽しんでいる。

 長さをそろえて束ね、接着剤で一端を固める。机などに置くことができ、外側の紙がふんわりと垂れる。長さは主に13センチ、19・5センチ、39センチの3種類。製本で使う39センチの紙の長さと、2等分、3等分に切った長さだ。

 小泉さんは普段、注文に合わせて必要なサイズに紙を断裁機で切り分けている。色の違う紙が床に散らばって重なり合う様子を「きれい」と感じていたという。端材は細く切って梱包(こんぽう)用の緩衝材などに利用していたが、初めは細く切った紙を束ねてゴムで留め、置物にしていた。

 現在の形の紙束を作り始めたのは昨年12月。長さや紙の厚さを変えると、垂れ具合が違うことにも気付き、作品の幅を広げた。中川村の額縁店で見せたところ「アートだね」と言われた。SNS(会員制交流サイト)で発信すると、反響があったという。

 興味を持ってくれた伊那市内のカフェでこのほど、初の展示会を開催。鳥の巣のようにくしゃくしゃにしてつるしたり、丁寧に並べて置いたりすると「面白い世界観が広がった」と振り返る。制作を通して「別の角度から紙を見ることができた。本だとターゲットが絞られるが、紙束で新しいつながりが広がるとうれしい」と話している。

 注文に応じて販売もする。置くタイプで税込み2800円など。問い合わせはメールで小泉さん(koizumike0321@gmail.com)へ。

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