能美市寺井町の住民でつくる同町活性化協議会「てらかつ」は11日、町内の市道の石柱に九谷焼の陶板を設置する。今年はメンバーが手掛けた14枚を飾り付け、来年以降は地元住民と寺井小児童に作品を作ってもらい、1年ごとに入れ替える計画だ。「屋外美術館」として寺井地区中心部のにぎわいを創出し、地元の基幹産業である九谷焼をアピールする。
市道は能美東西連絡道路の一部で、今年秋の完成を目指して拡幅工事が進められている寺井地区中心部の約450メートル区間が陶板の設置対象となる。
工事に合わせ、歩道と車道の境界を明確にするため、直径20センチ、高さ60センチの石柱が立てられることになった。そこで卯野修三副会長(61)らが明治中期以降に寺井町で生産が本格化した九谷焼の薫りが感じられる場にしたいと考え、市の協力で石柱上部に9センチ角の陶板を取り付けることにした。
今年は工事がほぼ完成している寺井南交差点の西側約50メートル区間に、メンバー14人が2月に制作した陶板を設置する。絵柄は古九谷の流れをくむ「吉田屋窯」の意匠や北陸鉄道能美線の車両、カモ、サソリなどさまざまで、来年3月まで展示する。
同月からは、市九谷焼陶芸館で地元住民に絵を描いてもらった陶板を取り付ける計画で、2022年3月以降には寺井小児童が絵付けした陶板も加える。作品は1年ごとに入れ替え、展示後は本人に返却する。
協議会長を務める米脇強寺井町会長(75)は「屋外美術館に位置付けることで町ににぎわいを生み出したい。児童が九谷焼を知り、ふるさとへの愛着を育むきっかけにもしたい」と話した。