伊那市高遠町小原の和菓子店「千登勢」が、こしあんを包んだ地元の名物「高遠まんじゅう」を桜あんに変えた新商品を期間限定で販売している。新型コロナウイルス感染症拡大を防ぐため、例年花見客でにぎわう高遠城址(じょうし)公園は4日から閉鎖されている。そのことを知らずに県外から訪れる花見客もいるとし、少しでも花見気分を味わってほしいとの思いを込めている。
店主の伊藤〓淑(たかとし)さん(50)によると、例年は園内で高遠まんじゅうや桜餅を出張販売しており、桜が見頃になる4月が書き入れ時。この時季の売り上げは年間の約3割になるという。
まんじゅうは直径約6センチ。「高遠城趾」と焼き印を押した。桜あんは、白あんをベースに食紅でピンクに色付けし、塩漬けした桜の葉を刻んで混ぜた。「しっとりしていて桜の風味が感じられる」(伊藤さん)という。
園内の桜は9日も満開で、周辺を散策する客もちらほらといた。伊藤さんは「来年には(新型コロナが)終息して、大勢の花見客に来てもらい、ゆっくりしてほしい」と話している。1個140円(税込み)。桜が散り終わる頃まで販売する。
(〓は、隆の生の上に一)