氷見市北大町の民宿「魚恵(ぎょけい)」は、富山湾の新鮮な魚介類をセットにして顧客に発送するサービスを始めた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で外食の自粛が広がる中、「自宅で味わいたい」という要望に応えた。
新型コロナの影響が大きい都内に住む常連客を励まそうと3月下旬、自家製の干物などを送ったところ、感謝のはがきが届き「スーパー店頭で品切れが相次ぎ大変」と書いてあった。
市内の民宿は軒並みキャンセルが相次ぎ、打撃を受けており、魚恵も4月の売り上げが前年の1割程度にとどまる見込み。顧客に喜ばれ、売り上げ確保にもつながるとしてグルメセットの提供を決めた。2017年暮れに鮮魚発送用の調理場を整備しており、円滑に対応できた。
ベニズワイガニやカワハギ、イワシ、サヨリなど旬の魚介類をはじめ、氷見牛やうどん、干物などを詰め合わせる。2人前で1万5千円(送料・税込み)から。関東を中心に案内はがきを送り、会員制交流サイト(SNS)やホームページでPRした。既に約20件の注文があり好評という。
セットには店で使えるクーポン券と従業員が手作りしたマスクも入れている。
2代目の濱出裕貴さん(34)は「手間はかかるが、お客さんに喜んでもらえれば幸い。新型コロナが終息したら来店してもらえるよう、顧客とのつながりを大切にしたい」と話す。問い合わせは魚恵、電話0766(72)3744。