小松駅前で、1933年(昭和8)年からうどん店「中佐(なかさ)」、平成の間は24時間営業の「みなとや食堂」として親しまれた店舗が18日までに改修を終えた。建て替え計画から一転、昔ながらの風情を残した町家は20日にカレー店として新たな歴史を刻む。
町家にのれんが掛けられるのは約2年ぶり。食堂は夜中もにぎわう憩いの場だったが、2018年に主人の死去で閉店。新たにオーナーとなった塗装会社役員の飯塚隆人さん(46)、明子さん(40)夫婦は「小松西町食堂aniki no curry(アニキノカレー)」を開店する。
当初解体を予定していたが、市民から惜しむ声を聞いて計画を変更。工事中、かつての常連客から「当然、24時間やるんだろう?」などと冗談交じりで言葉を掛けられたこともあったという。
外観は老朽化の箇所を修繕する程度で、内装は長さ5メートル超のハイカウンターなどを備えた。新型コロナウイルスの影響で、当面はランチ時間に絞って持ち帰りでスリランカカレーを提供する。飯塚さんは「厳しい門出だが、街のみんなが集まるような場所にしたい」と話した。