安曇野市の県営烏川渓谷緑地で、群生するカタクリの見頃が近づいている。地元住民らでつくり保護活動に取り組む同緑地市民会議によると、緑地の森林エリアには、開花する株が約1万5千株ある。19日は曇り空で雨もあり、まだ花が下を向いたカタクリも多かったが、暖かい日が続けば、今週中にも咲き誇る姿が見られそうだ。
カタクリは、森林エリアを流れるユキトギ沢沿いの一部に群生。市民会議植物班代表の村田実さん(86)=安曇野市三郷=によると、カタクリは、芽が出てから開花までに最低でも8年かかる。成長には十分な日光が必要で、市民会議のメンバーが一帯のササ刈りなどを続け、開花する株が次第に増えたという。
今年は最初に開花を確認できたのが今月2日と例年より早かったが、その後は降雪や寒さもあって足踏み気味。村田さんは「春の一時期しか咲かない貴重な姿を楽しんでほしい」と話していた。