動画の中で、新収蔵品の「源氏物語図屏風」について解説する主任学芸員

動画の中で、新収蔵品の「源氏物語図屏風」について解説する主任学芸員

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自宅でアート鑑賞 休館の福井県立美術館がネット収蔵品展

福井新聞(2020年4月22日)

 新型コロナウイルスの感染拡大で臨時休館中の福井県立美術館が、4月18日から開く予定だった新収蔵品展を紹介する動画のインターネット配信を始めた。担当学芸員が展示の概要や一押し作品を解説する動画2本を投稿。25日には美術館グッズを売るネットショップも開設予定で、外出自粛を余儀なくされている美術ファンや子どもたちとオンラインでつながる方法を模索している。

 休館中の展覧会の動画配信は、東京国立博物館や東京国立近代美術館、森美術館などが先んじて実施。県内でも県立恐竜博物館の常設展示を紹介する動画「どこでも恐竜博物館」が人気を集めており、地方の公立美術館の先陣を切って取り組むことにした。

 20日に動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信したのは「多彩な作品が仲間入り『新収蔵品と季節の日本画』」と題した約2分半の動画2本。担当の男性主任学芸員が昨年度の新収蔵品19件(寄託を含む)の中から、金地のきらびやかな「源氏物語図屏風(びょうぶ)」(17世紀)など3点をピックアップ。絵肌に迫る美しいズームアップ映像を楽しめる。京都の清水寺で花見を楽しむ人々を描いた屏風絵や、5月の端午の節句に飾られてきた病気よけの神「鍾馗(しょうき)」の掛け軸などにも触れ「外出する機会の少なくなったこの時節、動画で少しでも季節感を楽しんでいただければ」と結んでいる。

 25日には県立美術館のブタのマスコット「ブブ広報部長」が、作品に描かれた動物を探す子ども向けの動画を配信予定。女性主任学芸員ふんするブブ広報部長の愛らしいナレーションが聞きどころだ。同日開設するネットショップでは、所蔵作品の絵はがきや家族で楽しめる工作キットなどを販売する。

 臨時休館は現時点で5月6日までの予定だが、感染拡大の状況次第で新収蔵品展(同24日まで)の開催は見通せない。県立美術館は動画の定期配信を計画しており「日頃足を運んでいただけない方にも美術館を広く知ってもらう機会になれば」としている。

 動画はユーチューブで「福井県立美術館」と検索するか、県立美術館のホームページのバナーから視聴できる。

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