咲き始めたツツジを剪定する作業員=4月22日、福井県鯖江市西山公園

咲き始めたツツジを剪定する作業員=4月22日、福井県鯖江市西山公園

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ツツジの名所、コロナ防止で苦渋のせん定 鯖江市の西山公園

福井新聞(2020年4月23日)

 福井県鯖江市は4月22日、市西山公園のツツジの剪定(せんてい)作業を始めた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、既に全面入園禁止としているが、名物を刈り取ってしまうことで、見頃を迎えるゴールデンウイーク期間中の来場を抑止する狙いだ。市は「命を守るための苦渋の決断」としている。

 剪定を担う公園指定管理者のパークサポート有限責任事業組合(同市)の田畑善教代表は「開花前の剪定によって栄養が回り、樹木全体が丈夫になる。来年はつぼみも早くつき、今まで以上に素晴らしい花を咲かせてくれるはず」と話した。

 市によると、公園のツツジは1958年秋、当時の市長の肝いりで2100株を植えたのが始まり。現在は5万株に増えた。剪定は例年、見た目を整えたり、養分の効率的な利用で成長を促進したりするため、開花後に行っている。開花前の実施は初という。

 桜やツツジの名所である西山公園には、政府の緊急事態宣言が全国に拡大された16日以降も、週末を中心に県内外から来場があった。このため市は5月10日まで全面入園禁止とし、周辺駐車場の駐車台数も制限した。

 加えてツツジの剪定を21日の対策会議で決めた。28日までに公園正面を中心に行う。ツツジは22日現在で咲き始めとなっており、最も数が多いヒラドツツジはつぼみの状態だった。組合の加入業者が、花芽がついた10~20センチ程度の枝を刈り取っていった。

 牧野百男市長は会員制交流サイト(SNS)を通し「苦渋の決断だったが、来年は今年の分も取り返し、見事に咲き誇ってくれると思う。一日も早い新型コロナの収束に向け、命を守る行動をお願いしたい」とコメントした。

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