「安全運転で料理をお運びします」。小松タクシー(小松市)が25日、宅配サービスを開始する。新型コロナウイルス感染拡大を受けた国の特例措置に申請し、県内第1号で許可を受けた。外出自粛ムードで利用客が落ち込む中、飲食業界の宅配需要は右肩上がりで、「お得意様」獲得で新たな収益源にしたい考えだ。
タクシーで飲食物などを運ぶには、一般貨物自動車運送事業の許可が必要。通常は申請から許可までに数カ月掛かるが、国は21日に5月13日までの特例措置を発表し、数日で取得可能となった。
飲食料品はタクシーのトランクに入れて配送し、乗客と同時に運ぶことはできない。石川運輸支局によると、24日までに小松タクシーを含む県内4事業者から申請を受けた。
小松タクシーは「TakeOUTexpress(テークアウトエクスプレス)」と銘打ち、午前11時から午後8時まで車両全10台で対応する。チラシや同社フェイスブックなどで各店舗にサービスの周知を図り、商品は発泡スチロール製の箱に入れて運ぶ。
料金は店舗からの距離によって700円~1千円に設定し、利用者負担とする方針。道端隆一取締役は「車を持たない方もいるだろうし、飲食店のニーズもある。手探り状態だが、しっかり取り組んでいきたい」と話した。