川口さんが開発した自分の心と向き合うボードゲーム「ZENタイル」

川口さんが開発した自分の心と向き合うボードゲーム「ZENタイル」

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ボードゲームで自分を褒めて 新型コロナ伴う外出自粛生活で注目

福井新聞(2020年5月8日)

 福井県越前市の会社員男性が開発したボードゲームが、新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が続く中、インターネット通販で品薄状態になる人気になっている。一日の心の動きを振り返り、自分自身を「よく頑張ったね」と褒めてあげるゲームで、購入した人からは「心が軽くなった」「人に会えない今だからこそのゲーム」などの声が寄せられている。

 越前市の川口洋一郎さん(44)が開発した「ZEN(ゼン)タイル」。デザインは同市のデザイナー三木あいさん(40)が担当した。川口さんは2013年、仲間とボードゲームを楽しむだけでなく制作するサークル「ちゃがちゃがゲームズ」を設立、翌年に自作第1弾「かたろーぐ」を発表した。遊んだ人同士の会話が弾む作品として注目され、18年に優良おもちゃを選ぶ「グッド・トイ賞」に輝いた。

 自作第3弾となるZENタイルの遊び方は、1日24時間を表す物差しのような「時間ボード」に、「幸」「楽」「悲」など20種類の気持ちを漢字で表したタイルを裏返してある中から1枚選び、その気持ちになった時間に置いていく。1日の出来事を振り返りながら10枚を配置し、最後に「自分を褒めてあげたい」ところに目印を置いて"ゲーム終了"となる。

 昨年11月のイベントで初回版「ZENタイル ソロ」を発表した際には「これはゲームではない」と厳しい評価も受けたが、販売後はSNS上で注目を集め、3月下旬に大手通販サイトのボードゲーム部門で1位を獲得。複数人でも遊べるルールを加えた改良版「ZENタイル ベーシック」を続けて発表すると、4月上旬に人気ユーチューバーに取り上げられて現在は品薄になっている。

 ゲーム後に時系列に並んだ「気持ち」を眺めると、家に閉じこもっていた1日でも多彩な心の動きがあったことに気付かされる。写真に撮って"日記"にする人もいるという。ネット上には「今にぴったり」「自分を見つめ直すきっかけになる」などのコメントが並ぶ。川口さんは「気持ちを可視化して、自分の時間を大切にできるようにと考えたゲーム。この時期だからこそ、内面を探究するゲームとして響いているようだ」と話している。

 ソロは3300円(税込み)、ベーシックは5500円(同)。

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