北アルプスの雪解けが進み、常念岳(標高2857メートル)に「常念坊」の雪形が現れた。雪の中に浮かび上がった山肌の部分が、とっくりを手にした僧侶の姿に見える。安曇野市堀金烏川から咲き乱れる八重桜越しに見ると、まるで常念坊がお花見を楽しんでいるかのようだ。
常念坊の出現は、田植えを準備する季節の到来を知らせるとされる。例年は4月下旬ごろに現れるというが、今年はその頃の冷え込みで北アの山々に雪が降ったため、5月に入ってから形が見え始めた。さらに雪解けが進むと常念坊の左上に、尾根に残った雪がくわに見える「万能鍬(くわ)」の雪形が出るという。
市観光情報センターは「常念坊を合掌している僧侶と見立てる人もいる。背中側には犬のように見える雪形もあるので探してほしい」としている。