1日から開園する兼六園では31日、休業していた周辺の茶店などが消毒液やビニールシートを設置し、約1カ月ぶりの営業再開に備えた。
茶店「蓬莱堂」では従業員が店内を清掃し、消毒液の利用を呼び掛ける貼り紙をした。年中無休で営業する店にとってかつてない長期休業の間、店の補修や新メニュー開発に取り組んだ。大野達朗店長(42)は「来てくれた方に喜んでもらえるもてなしがしたい」と意気込んだ。
和菓子店「大松庵 兼六園店」も消毒液を配置し、商品の前に透明なビニールシートの仕切りを設けた。今年は花見客が少なく団子の売れ行きが振るわなかったといい、パート従業員女性(70)は「外出自粛の気晴らしに来てもらえれば」と期待した。
石川県金沢城・兼六園管理事務所は、徽軫灯籠(ことじとうろう)の前に架かる虹橋など人が密集する場所を一方通行としたほか、マスク着用などを呼び掛ける看板を14カ所に設置した。兼六園観光協会の宇田直人理事長(45)は「観光地化し、地元の人が来づらくなっていたかもしれないが、これを機にぜひ足を運んでほしい」と呼び掛けた。